現場にGO

「つくる人」を育てる。浜松の葉ネギマイスター


「浜松餃子」でも有名な静岡県浜松市は、県内でも有数の葉物産地で、施設園芸が盛んな地域。
JAとぴあ浜松のブランド『みかたくんのおねぎちゃん』を生産するネギ部会会長・河合正敏様((有)グリーンオニオン・代表)にお話を伺いました。

浜松の「葉ネギブランド・みかたくんのおねぎちゃん」

香り高く、シャッキリとした歯ごたえで人気の「おねぎちゃん」。包装の裏には河合様おすすめの「葉ネギの肉巻き」などおいしくいただけるレシピが記載されています。

露地/丸屋根鉄骨/パイプハウス…3つの方法で周年栽培

河合様が経営する生産法人・グリーンオニオンは露地と施設、それぞれの特性を生かし、組み合わせることで周年栽培を行っています。

耕作面積は7.7町歩と広大。うち施設面積は3.7町歩にも及びます。

生産量はなんと年間175,000ケース(約500万本!)
スーパーなど店頭に並ぶほか、地元の有名中華料理店・五味八珍とコラボした「ねぎ餃子」として食卓に届けられています。

自ら設計した「施設・葉ネギ」ハウス

今年、従来の丸屋根鉄骨ハウスに加えて、自ら設計に携わったというパイプハウスを1.5町歩拡大したそうです。河合様に詳細を伺いました。

※河合様と葉ネギ
Q「なぜ、パイプハウスを増設したのでしょうか?」

河合様「葉ネギは夏場がもっとも値段が良く忙しいのですが、露地では難しい冬場の出荷量を安定させるために増設しました。」



Q「自ら設計ということですが、苦労されたところは?」

河合様「地元で安価に自作をされている方のハウスを真似てみましたが、使い勝手を改良したんです。
例えば、ツマ面はトラクターの出入りが必要なのですが、当初は屋根フィルムを引っ張ってすぼめ、アンカーに結び付けていました。
でもいちいち大変で…。そこでツマ面の「枠」をつくって根本は差し込み、スプリングで止めるだけでの着脱式ツマ面を作ったんです。」


 
Q「随所に工夫がみられますね」

河合様「かん水も自作しました。当初は​​​​サイドからかけていましたが、どうしてもムラが出る。そこで天井かん水をしたのですが、今度はサイドに流れ落ちて、端の畝で病気がでてしまった。そこでパイプを工夫して換気部に張り出しを作り、外に水が逃げるようにしました。」

河合様「作業効率も踏まえ、奥行きも90m近くまで伸ばしました。横からノズルを入れて防除しますが、きれいに巻上げられるよう両ツマ面から半分ずつ、カンキット101を取り付けています。」
  
河合様はホワイトビニペットEXを使用されています。

河合様「この地域は浜名湖から吹く風で塩害がでやすいんです。ビニペットEXはメッキにアルミを含むホワイト(ガルバリウム)、スプリングはステンレスソフトスプリングを使っています。」


河合様は6年前、38歳のときにお父様から会社を受け継いでいらっしゃいます。経営についてお伺いしました。

河合様「社員が自分で考えられるようになる、意見が言える、そんな環境を心がけています。圃場を拡大するときも、芽キャベツか葉ネギか、どんな施設にするか迷ったんです。だから、あえて仕事をお休みして全員で現地視察に行った後に聞きました。そしたら「社長、葉ネギをやりましょう」って。パイプハウスを1.5町歩は管理も大変だけど、みんな納得してやってくれています。」
  

 
Q「夢や目標はありますか?」
 
河合様「今年はネギの単価が下がってしまったから大変だったけど、パイプハウスのおかげで20%増収できたからなんとかしのげた。目標は200,000ケース。社員に還元してあげたい。」
 
担当からひと言

今年44歳と、業界では若手とも言える年齢ですが、葉ネギを育て、人を育てるという確固たる信念をお持ちの方でした。取材では、その人柄に多くの人が惹きつけられている様子が伺えました。今後の河合社長の活躍が楽しみです。
 

現場情報

施主名 :河合様
農園名 :グリーンオニオン
地 域 :静岡県浜松市
従業員数:26名
就農年数:18年

ハウス仕様

間  口 :2.8m
総面積(坪):66坪
奥 行 き:87m
骨  材 :φ19
被 覆 材:農POフィルム
ハウスの形:パイプハウス

現場で使用している製品

カンキット®101 カンキット®101

ビニペット®EX ビニペット®EX

ステンレスソフトスプリング ステンレスソフトスプリング